2006/01/18

アランヤプラテート

知人からのメールで来月の半ばにタイから日本に一時的に帰って来るとのメールがあった。

彼はタイの企業で働いている。がワークパミッドが取れないため、観光ビザで何回も出入りしていた。

ところが、最近タイ政府は観光ビザの連続取得を厳しく取り締まっている。

理由はワークパミッドを持たない人間の労働を制限するためである。


実はタイにはワークパミッドを持たずに働いている人が沢山いる。

一流ホテルに勤めていてもワークパミットが出ないケースだっていくらでもある。

日本でもそうだが、海外から入ってきた人間が働くことで、国内の職を奪われるという理由でなかなかワークパミッドがもらえないのだ。


で、そういった人は観光ビザを何度もとって暮らしているのが現状。

それさえも取り締まりが厳しくなったので取りにくくなった。


で、この観光ビザの延長のためには一度タイ国外に出なければならない。

一番よく使われていたのがカンボジアとの国境の町アランヤプラテートである。

現在は、かなり規制されており、観光ビザの連続発行は難しい。


実は私もメールの知人に付き合って一度アランヤプラテートに行ったことがある。

当時は、タイ人向けのカジノバス(カンボジアにあるカジノへ行く)がバンコクからあって、値段が安いことからこれを利用していった。

今はタイ人がカンボジアのカジノへ行くのをタイ政府が取り締まっている。(タイは賭博禁止である)

その為このバスが今あるかどうかは知らないが、あったとしてもお勧めはしない。

正直、ガラの悪い方たちが沢山乗ってらっしゃるので、普通の日本人なら袋叩きにあっても仕方がないような雰囲気であった。

で、バスに6時間近く揺られて着いた町がアランヤプラテート。

この写真はカンボジア側の国境。


A2


で、このゲートを抜けてカンボジアのポイペトへ。

すると、物売りというか人だかりというか。(まぁタイ側にも沢山いるのだけど)

市場には古着が売られている。

この古着は日本などからカンボジアの人たちへと送ったあの古着である。

その中から商品になりそうなもの選別され店で売られていて、各国の古着バイヤーが買い付けてはまた自国に持って帰る。非常に安く古着を仕入れるマーケットとして有名なのだそうだ。

これも汚職の一環。


で、そこからちょっと歩いたところにカンボジアのビザセクションがある。

物売りの中にビーチパラソルを持った少女(10歳くらいだろうか?)が。

彼女の仕事はここからビザセクションまでの間、日傘代わりにビーチパラソルをさすことである。

値段は交渉だが大体20B(タイバーツは使える)くらいだったと思う。これで彼女の一家が1日食べることが出来る。

私は彼女に傘さしを頼み友人と一緒にビザセクションまで行く。

その間少女は一生懸命重いパラソルをさしている。

ビザセクションの前にいる職員らしき奴にパスポートと手数料と彼へのチップ?を支払う。

すると裏から中に入り、ものの15分でビザ申請を終わらせて帰ってくる。

なんとも言えない。アジアの裏がここにもあった。


そして、また歩いて国境まで帰る。

その間少女はまた一生懸命重いパラソルをさしている。

国境前に着くと彼女に20Bを渡し、それからチップだと言ってもう20Bを渡した。

なんともやりきれない。ビザセクションの奴等へのチップは数百バーツである。

が、かといって彼女に大金を与えることは問題がある。

彼女と彼女の家族にとって40Bは決して小さなお金ではない。

もし何百バーツも渡したらどうなるか。

彼女の家族は働かなくなるだろうし、何よりそんな大金を持っていれば危険である。


うれしそうに40Bを握り締めて笑顔で笑いかける少女に何故か後ろめたさを感じた。


なぜ今まで書かなかったのか思い出した。

いやな思い出だったからだ。

少女の笑顔を僕は忘れない。

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