2006/02/17

アンドロイド誘拐!

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彼の名前はフィル「Phil」。
今年1月にカリフォルニアに向かう空路で行方が分からなくなったとのこと。

彼は、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(映画ブレードランナーの原作)や「マイノリティ・リポート」 などの原作を書いた作家フィリップ ・K・ディックをモデルにディックの著作と伝記から構築されたAI人格を持つアンドロドである。
昨年のWired NextFestで展示された際は大きな反響を呼んだ。

もともとディックの「アンドロイドによる肖像」として製作された「Phil」は合成皮膚と多数のアクチュエータによるリアルな表情を持ち、カメラを搭載した眼で人を追い知人の顔を認識、著作や書簡から再現された語彙とAIで会話ができるなど極めて高機能なロボットなのだ。

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昨年、このアンドロイド"Phil"が輸送中に失踪、製作元のHanson Robotics社では現在目撃情報を募集している。

Hanson Robotics社によると、身代金目当ての誘拐、あるいは愉快犯的ディックファンの仕業だと思われるとのこと。
Hanson Robotics社自身によるパブリシティ目的の狂言とも噂されている。

ちなみにこのニュース、冗談ではない。本当に誘拐?されてしまったのである。

フィリップ ・K・ディックは私が唯一崇拝する作家である。

中学時代からディックの信者である私は、高校の時、SFサークルの集まりに参加して「自分が最高と思うSF作家をあげよ」と言われ迷わずフィリップ ・K・ディックをあげた。
当時はSFファンにとってディックは異端であり、SF作家として認める事は彼らにとって屈辱に等しい行為だったようで、
「君、帰ったほうがいいよ」
とあっさり、追い出されてしまった。

その数年後公開された映画「ブレードランナー」で状況は一遍。ディックファンは日の目を見たのである。

当然期待される「アンドロイドを狩り出すアンドロイドの製作」(ディックの本を読めば意味が分かる)は現在のところ計画されていないとのこと。
うーん、残念だ。

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