2005/08/02

屋台の料理は安全?

タイに行くと街の至る所に屋台が出ている。
麺類やご飯類、串焼きやお菓子、フルーツなどが、美味しそうな匂いと色で誘いかける。
中には強い匂いの料理(大体はイサーン料理ですね)に顔をしかめることもあるが、誘惑にまけて買い食いしてしまうことも多々有る。
バンコクの屋台は面白い、同じ場所でも時間によって店が違ったり、昼間しかやっていなかったりと、その場所の人の流れによって変化するのだ。
ただ、余り衛生的とはいえないのでお腹を壊したり、調子が悪くなったりということもあるので十分に注意が必要である。
目安としては、まず一番大丈夫なのはタラート(市場)の屋台。市場といっても色々で、本当に食材を売っている一番から屋台が集まった屋台街を指すこともある。
いずれも、近隣の人や街の中ならサラリーマンなどが昼食を取ったりする場所がほとんどで、こういった店はまず大丈夫なはずだ。
また、中心から外れた住宅地、特に中流層が住むアパートが密集するエリアなどはソイ(大きな道路の横道)に屋台が広がっているところがある。
これはいわゆるお惣菜屋さんである。
タイではというよりバンコクでは食事は作るより買ったほうが手軽で安いのだ。
かくして、道路の上は、さしずめ青空調理室、プロパンガスを置いてその上で中華鍋で炒め物を作ったり揚げ物を作ったり、はたまた寸胴鍋でクエッティオ(麺)を作ったりとにぎやかな光景が見られる。
なにか、夜店の屋台のようでワクワクするのは僕だけだろうか。
で、危ない屋台というのはどこか。とにかく、生ものを長い時間太陽にさらしているような店。
屋根のないかんかん照りの中、トレーに入れた肉にラップを掛けて売っているような店だ。
焼いてしまえば大丈夫だというが、やっぱり危険である。
まぁ、しかし、タイ人にとって屋台は生活になくてはならないものなのである。

が、この屋台とまったく縁のないタイ人というのも存在する。

私は日本でわずか10時間だがタイ語を習った事がある。その時プライベートレッスンで教えてくれていた女性がいる。
彼女は京都大学に留学していたエリートのお金持ちお嬢様で、5年ほど前にタイに帰り外資系の企業で働いている。

バンコクにいる時、エンポリアム(スクムビット通りにあるショッピングコンプレックス。エンポリアムというデパートと高級専門店などが入っている)の本屋で偶然彼女と再会した。
久しぶりの再開に、エンポリアムの2階のオフィスタワー側にあるカフェでお茶を飲みながら話をした。
その時、彼女の知り合いが偶然現れ紹介された。(というより彼女の行動範囲と紹介された人物の行動範囲が似ているということだと思う)
その男性なんと、The Nation の副編集長。
なんともスノッブなお友達である。

どんな話の流れでそうなったのかは覚えていないが、トンロー(スクムビット55)の屋台でカオマンガイ(茹でた鳥をその茹でたスープで炊いたご飯の上に乗せたもの)を食べようということになった。
たぶん、「タイ料理は食べれるか」みたいな話から「カオマンガイが好きだ」見たな話になり、「トンローの屋台のカオマンガイがうまい」といった感じだったと思う。
私にその屋台を教えてくれたのはそのThe Nation の副編集長だった。
時間も19時過ぎだったこともあり、「じゃぁ、これから一緒に食べに行こう」的な流れで私たち三人はトンローの屋台にあるカオマンガイ屋に行った。(トンローの屋台は夜しかやっていない)
目の前に出てきたうまそうなカオマンガイに私と副編集長はかぶりつく。
と、ふと見ると、彼女は手をつけていない。
「どしたの?」
「私、食べた事がない」
「えっ、カオマンガイを?」
彼女は首を横に降る。
「ちがうわ。私屋台でご飯食べた事ないの。これってお腹壊さない?」
しばし二人とも沈黙して彼女を見つめる。
「大丈夫だよ、ここの屋台は」
そういって二人で説得?して、やっと彼女がカオマンガイを食べ始めた。
「結構おいしいわね」
彼女がまじめな顔で言った。
その後、話が盛り上がって、屋台で1時間近く話をして別れた。

翌日の昼過ぎ彼女の携帯から電話があった。
「今日はお腹壊して休んでいるの」
「あぁ、、、、そう、、、」
彼女より、僕の方が庶民だということは理解出来た。
うーん、タイは奥深い。

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