2005/08/26

トッケイとレン

タイにはトッケイという動物がいる。いやタイだけではなく東南アジアに広くいるようで、バリでもやはりトッケイと呼んでいたと記憶する。


このトッケイなる動物、正体は大ヤモリである。トッケイゲッコウという呼び名もあるようだ。
「トッケイ トッケイ トッケイ」と鳴く事からその名前がついたとの事。確かに泣き声が「トッケイ トッケイ」と聞こえる。

小さなヤモリはチンチョという奴もいるのだが私は爬虫類に詳しくないので良くわからない。

とにかくまずトッケイである。トッケイは山岳地方に居る大型のヤモリで成長すると40~50cmにもなる。歯が鋭く驚かすと、大きな口をあけて威嚇する。

でどんな奴かというとこんな奴。

結構えぐいのだが、日本でもペットショップでも売られたりする。


あまりお会いしたくないのだが、バンコク市内でもちょっと森林が残っているところなどにいることがあるらしくまれに鳴き声を聞く事が出来る。

よくバンコクで聞く「チョッチョッ」と鳴いているのはトッケイではなくチンチョだそうだ。

まぁしかし、あんまりお会いすることはない奴なので、その泣き声を楽しむのはそれなりに良いかもしれない。


それよりも、バンコクでよく出会うのはレンである。

良くレンのことをトッケイと思ってい人がいるが実は違う。私もつい最近までレンがトッケイだと思っていた。

で、レンとの正体は何かというとオオトカゲである。
でどんな奴かというと、こんな奴。(あんまりよい写真がないのだが)

タイ全土の森林部に生息していて成長すると1m以上になるらしい。

これを食ったりする所もあるらしい。


数年前、スクムビット通りのソイトンロー(ソイは脇道。ソイトンローは大きな道でぺップリー通り抜ける)のセンセーブ運河沿いにあるアパートを借りていた。


アパートからトンローまで裏口を出てセンセーブ沿いを歩くのだが、アパートとその隣の建物の間は個人の方の家で野原がある。そのつながりでセンセーブ沿いは雑草が茂った抜け道になっていた。


ここに、レンがいるのだ。


歩いていると突然草むらがガサッと動く。ふと見ると体調60センチくらいのレンがジッとこちらを眺めている。初めはさすがに、ビビッてしまい思わず 引き返したのだが、要は向かって行かない限りは向こうも襲ってくる事はない。向こうも人間が怖いのだろう。ジッと睨みつけるだけだった。


何となくそんな事にも慣れた頃、知り合いのタイ人が田舎に帰るのに同行したことがある。
彼の田舎はホアヒンというバンコクから南にあるリゾートで有名な町だ。彼の実家はホアヒンの中心地から少し離れた所で果樹園を営んでいた。


彼の「果物食い放題」という言葉につられてやって来た私は、果樹園で働く人達に混じってマンゴーなどの収穫を手伝っていた。

朝も6時前から働いて、昼食の休憩になり、用意してくれた舌が痛くなるほど辛い料理を叫びながら食べ、一緒に働いていた人達に笑われていた。

どもう南の料理の方が北や東北の料理より辛い。いや辛いと言うより痛いという感覚だ。

何とか食べ終えて、収穫しなかった熟れたマンゴーを食べさせてもらってホッと一息ついた。熟れたものは直ぐに傷み始めるので出荷出来ないのだ。


お腹も満たされえて横になりウトウトしていると、ふと腕に何かが触れる。硬い。いや、動いている。

ふと目を開けて見ると、そこには農場で働くオジサンに抱えられた体調40センチほどのレンがいた。

当然、僕は慌てて飛び起きて逃げた。それを見て回りのみんなが笑っている。まぁ、単純ないたずらですね。
「こいつはまだ子供だから大丈夫だ」

私をここに連れてきた知人もそういって笑う。


森林部に住むレンにとって果樹園は絶好の住み場所なのだ。

しかし、果樹園に取ってはせっかく育てた果物を食べる悪者であると同時に、木の上に上って果物を食べる小動物のハンターとしても貴重な存在なのだそうだ。

だから必要以上に増えないように捕獲しているらしい。(でそれを食うらしいのだが)


3日ほど、この果樹園でお世話になったのだが、朝起きて、ドアを開けて外に出ると、目の前に体調1メートル近いレンが数匹ノソノソと行進する姿も見ることも出来た。それも、5メートルも離れていない所で。


いやしかし、あまりお近づきにはなりたくない。

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