2005/08/25

タクシーの話

いつも行くマッサージ屋のオネー様達から
「今ぺップリーのモナリザにいるから一緒に食事をしよう」
と電話があった。
「はぁ!?」
僕は思わず声を上げる。
何故かというと、ぺップリー通りのモナリザといえばマッサージパーラーつまり日本でいうところのソープランドである。
普通のそれもホテル系のマッサージのオネー様方が行く所ではない。

が、よく聞いてみるとモナリザの横のバーベキュー屋のことだったのだが、店の名前がわからないので目印に「モナリザ」と言っただけだった。
(日本人のオヤジはモナリザなら知ってるということらしい)
そこで、たまたま一緒にお茶を飲んでいた大阪の夜遊び組の友人二人と一緒に「モナリザ」に向かった。

2件並んだバーベキュー屋の「モナリザ」側のオープンの店に彼女達が3人座っていた。
「YUKIサンこっちこっち」
呼ばれるままに席に着いた僕達は、彼女達が焼いてくれるバーべキューを黙々と食べだした。腹が減っていたのだ。
で、このバーベキュー、別にバーベキュー用の網で肉を焼いて食べるわけではない。
何故か?ジンギスカンの鍋で、ラム肉ではなくブタ肉を中心に焼いて食べる。
そして、やはり鍋の淵の部分に水を入れてそこに野菜などを入れてしゃぶしゃぶか鍋料理の様にして食べるのだ。
タイ人に聞くとこれはもともとコリアの食べ物なのだそうだ。
まぁジンギスカンもともとはあっちの食べ物だろうし、こういった肉を焼きながら野菜を茹でて食べるというのは多分コリアあたりから伝わったのだろう。
で、食べ方は何故か肉も野菜もナムチンと呼ばれタレにつけて食べる。
ナムチンはエビのペーストに唐辛子やニンニクを入れたものが基本らしい。
タイスキなどに行くと出てくる赤いタレである。ただこれも店によって中身は様々だ。
実は私はこのナムチンがあまり好きではない。決して食べれないわけではないが、ナムチンにつけて物を食べると全部同じ味になってしまうからだ。
いや、「そうではない!!」という反論もあるかと思うが、あくまで個人の感想なので。

タイ人及び日本人の友人曰くはここのナムチンは美味しいらしい。
肉も思っていたより新鮮だったのでホッとした。レバーも臭みがなく美味しく食べられる。こんなところで腹を壊しては馬鹿馬鹿しい。
私はナムチンをつけないので何もつけずにそのまま食べる。それだけに新鮮じゃないと直ぐ判ってしまうのだ。
さほど具在の種類はないが、なんせ食べ放題80Bである。この値段で文句を言ってはいけない。
周りはタイ人ばかりで、ベンツなんか乗りつけている奴がいたりする。
結構有名な店なのかもしれない。
隣に、ログテラス風の綺麗な店があるのだが、タイ人のオネー様曰くあの店は熱いらしい。テラス風に木を組んで店にしたため熱が抜けないようだ。
その点、ここはオープンというか、広場にテーブルをセットしただけの店だから風が通るというわけだ。

ビールを飲みながらたらふく食って、お会計(締めて1000B程度)はオネ-様に奢ってもらった。ご馳走様です。(相変わらずヒモ体質な私です)

さて、そこから帰り道の話だ。
オネー様の一人はトンローにお住まいで、残りはシーロムにお住まいである。
大阪遊び組の一人はスクムビット24のサービスアパートに泊まっており、もう一人はスリウォン通りにあるホテルに泊まっているという。
私の宿はサイアムの近くなので、スクムビット、トンロー組で一台タクシーに乗り、僕とオネー様二人、大阪遊び組一人の計4人でシーロム方面へ向かうことになった。
タクシーを止めて簡単に別れを言って乗り込む、タクシーはシーロム方面と反対側なのでそのまま走り出す。
と、いきなり助手席の僕にドライバーが言った。
「スリウォンて何処ですか?」
「貴方タクシーなのにスリウォン知らないの!」
と思わず、後ろのオネー様が突っ込む。
別に珍しいことではない。ぺップリー通りから郊外へ向けて商売をしているタクシーは珍しくない。彼もそうだったのだろう。
でも彼の偉いところは知らないことをちゃんと言ったところだ。
結局、こちらが道を指示して、無事スリウォンに到着。その後、タクシーのオニーチャンに聞いたらラマ4通りなら判るというので、ラマ4通りへの行き方を教えた。
まぁこれは可愛いものである。

昔、バンコクの隣の町にある古代公園(スワンボラーンだっけな)に遊びに行ったことがある。
この公園はタイ各地から古い建造物などを移設して公園にしているのだ。(有料です)
実は結構広く車でも回れて、もちろんタクシーでも回れるのだがそんな事知らない私と友人は入り口でタクシーを降りた。
へとへとになりながら公園を歩き廻り(まぁそれれはそれで楽しかったのだが)公園を出てタクシーを捕まえ、BTSのオンヌット駅までと頼んだ。
ドライバーが頷くのを確認してタクシーに乗り込み長い道のりを走る。
が、いつまでたってっもオンヌットに着かない。それどころか、いきなりドライバーが言う。
「何処にいけばいい」
ってお前判らんのに客乗せたんかい!おい!

その当時の僕はバンコク特別区と呼ばれる観光地図に載っている所しか知らなかったので自分が何処にいるのかも判らなかった。
スクムビット通りに出てくれというのだがそれも判らないという。
そのうちドライバーのオニーチャンがとんでもないことを言う。
「どうしてあんた達は何時までも乗ってるんだ!」
おいおい、場所も判らん所へ外国人二人ほっていくんかい!!
が彼では判りそうにないのであきらめてタクシーを降りた。
いったいここは何処なのだ。周りには目立つ建物もない。タクシーも来ない。
よーく見ると2キロほど(感覚です)先に大きな建物が見える。
取りあえずあれを目指そう。という事になり熱い日差しの中その建物に向かって歩き出した。
次第に建物が近づいてくるとその建物の前は大きな道路で車の行き来も多いことが判った。
約20分。歩きつづけ、その建物の前の大通りにたどり着く。
見れば建物は大きなショッピングセンターだ。
道路の脇にある歩道橋を渡り、そのショッピングセンターにたどり着く。そこはシーナカリン通りにあるシーコンスクエアというショッピングセンターだった。
取りあえず中に入りKFCでチキンとコーラを流し込み一服する。
その後、シーコンスクエアの中をちょっと覗いてみた。ローカルなタイ人向けの大型ショッピングセンターで映画館もある。
ただ、日本語なんて絶対に通じそうにないし、英語もどうだろう?
一通り中を見て正面入り口のタクシー乗り場でタクシーに乗り込む。
「スクムビット通りまで」
というとタクシーのおじさんはさっと走り出し、わずか10分そこそこでプラカノンの駅(オンヌットの隣の駅)に着いた。
迷うほどの道でない。

最近は道を知ってるドライバーも増えたし、知らないのに知ってると言い張る奴も少なくなった。
タイ人の気質なのか、知らなくても知らないとなかなか言えない様だ。ある意味見栄っ張りなのだ。
だから、払えもしないローン組んでベンツ買ったりするんだろうなぁ。

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