2006/03/06

ソフトバンクがボーダフォン日本法人を買収?

まだ決定ではない。

3日。英国ボーダフォン本社は日本法人の売却についてソフトバンクと交渉中であることを正式発表した。

この買収の背景には以下の様な点が浮かび上がる。


まず、日本独自のマーケットがグローバルを目指すボーダフォンとの合い入れなかったこと。

海外のボーダフォンがGSMサービスを提供し、相互間のサービスサポート体制が出来ているにも係らず、日本はGSMサービスの提供が出来ないため、WCDMAを取り入れたが思うように業績は伸びない。

また、閉鎖性のある市場に逆らうことなく、他大手ニ社と同等の戦略を打ち立てたことにより、小競り合いによる顧客の奪い合いが生じた。

一番大きな理由は、携帯端末の価格を携帯キャリアが吸収しなければならず、その結果年間契約などの縛りをおこなうことでなんとかペイを出来る状態が続いていた。

反対に言えば顧客が携帯端末を安価に手に入れることが常識化してしまい、海外の様に高額価格での端末販売が出来ず、その分の負担を回線契約で補う事となるゆがんだ市場が、ボーダフォンの思惑通りの売上を上げなかったということだろう。


ソフトバンクは既に携帯業者としての許可を得て、年内に携帯事業を立ち上げる予定だった。

ただ、現状における大手三社のによる独占状態から新規参入するのは非常に難しく、かといって現状の携帯端末の赤字販売を補うだけでも大変な状態でこれ以上の低価格路線を提供するのは難しい。

安定した経営基盤を模索する中で、数年後の目的を金で解決できるなら、直ぐ150万人のユーザーを得ることの出来るボーダフォン買収は正しい選択と言える。


さて、ソフトバンクはどう出るのか。

買収額は日本のM&A史上最高の2兆円越と噂される。

ただ、ソフトバンクのによるこの大型買収は可能なのだろうか?

そして、成功した場合、ソフトバンクはどのような手で大手二社に宣戦布告するのか。

それとも現状の市場体系を崩さずに同調するのか?



現在の日本のブロードバンドの低価格提供の基盤を作ったのはソフトバンク率いるYahoo!BBである。

現在ではYahoo!BBが低価格とは言えないが、当時数万円の投資と1万円以上のランニングコストを要したADSLを、初期費用数千円、ランニングコスト3000円弱にまで下げたのは紛れもなくYahoo!BBである。

ソフトバンクがもたらしたのは独占による独善的価格体系の破壊であり、バリュープライスモデルの構築だった。

バリュープライスとは値打ちある価格であって決して安売りではない。

安かろう悪かろうでは意味がないのだ。

ユーザが出しても良いと思う価格と、提供側が出せる最高水準が重なったところがバリュープライスである。

是非、今回もユーザーにとってメリットのある市場改革をお願いしたい。

0 コメント: