2006/03/06

ロサンゼルス厳戒態勢

第78回アカデミー賞授賞式が5日(日本時間6日)、当地で開催される。
世界最大の映画の祭りを前に、ハリウッドがかつてない緊張に包まれているとのこと。
今年は作品賞だけでもカウボーイの同性愛を描いた「ブロークバック・マウンテン」、イスラエル選手団殺害犯への報復を描いた「ミュンヘン」など、社会派一色になったからだ。
 「ミュンヘン」に対しては、米国の政財界に強大な影響力を持つユダヤ系社会から不快感も噴出。
また外国語映画賞候補になった、パレスチナ人の自爆テロをテーマにした「パラダイス・ナウ」に対しても、イスラエル人らの国際団体が、候補取り消しを求める嘆願書を米映画芸術科学アカデミーに提出した経緯もある。
約3万3000人分の署名とともに「作品はテロを賛美しており、権威ある映画賞が与えられればテロを誘発する」と訴えた。
が、アカデミー側は嘆願を突っぱねている。

  最多8部門にノミネートされ、本命視される「ブロークバック−」も、社会から大きな反発を受けている。ベネチア国際映画祭グランプリ、ゴールデングローブ 賞最多4部門受賞など前哨戦を総なめにしてきたが、米国ではキリスト教右派勢力を中心に同性愛を絶対悪とみなす意見も根強いらしい。
同作に出演した米女優ミシェル・ウィリアムズ(25)は、カリフォルニア州のキリスト教系の母校から
「卒業生がゲイをテーマにした映画で苦悩する女性を演じたのは非常に不愉快。当校の価値観とは異なり、一切かかわりを持ちたくない」
と絶縁宣言されたことが話題になっている。

こうした背景から、会場になるコダック・シアター周辺では、FBIとロサンゼルス市警が警備の最終確認を続けているとのこと。
会場周囲は1日から交通規制が始まっており、毒ガス検知器まで設置される始末。
当日は狙撃隊や爆発物処理班も周辺に待機する予定もあるとのこと。
アカデミー賞は過去、イラク戦争直前だった03年も、対テロ警察特殊部隊やFBI捜査員が大量動員された事がある。
しかし、今回は作品そのものを守る異例の厳戒態勢となる模様。

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