2006/03/08

30バーツ医療

タイには30バーツ医療というのがある。

これは、タイ人なら誰でも指定病院で一回30バーツで治療が受けられるというもの。

タクシン政権の売り物の一つだ。

もともとは保険制度の整っていないタイで、所得に関係なく平等に治療を受けられるようにという、一見非常に崇高な考えもと低所得者へのアピールを行いたいタクシン政権が始めた制度である。

ところがこの30バーツ治療かなり問題いなっている。

簡単にいうと、30バーツで治療は行えない。ならば足りない金はどうするのかというと税金を使う。

がそれでも足りず、実際には指定病院の負担になっているのである。

今回、タマサート大学病院が多額の損失等を理由に、第一次30バーツ指定病院の座から退くと発表した。

政府の30バーツ医療の利用者は年々増え、昨年は1億バーツ以上の損失を計上している。

これらの負担の一部がして病院にも負担を与え、タマサート大では医学生の研究の妨げにもなったという。

10月以降は、救急や他の病院からの移送など、条件付で30バーツ医療に参加していくと表明した。

また、30バーツ医療が新たに白血病にも適用されることについて、チャントラカセム・ラチャパット大学グッド・ガバナンス研究センターのサンシット所長は、

「首相は、税金を自分の人気取りに使っており、これは汚職だ」

と指摘している。

聞くだけなら非常に良い制度なのだが、実際には税金をつぎ込み、それでも足りない分は指定病院が持つというのだからおかしな話である。

当然、政策というのは人気取りの部分は否めない。

が、これを公然と「俺だから出来る」とばかりにPRするのタクシン首相がこの制度を人気取りに為私物化していると言われても致し方がないところも大いにある。

絵に描いた餅を実行するために、他人に何処かから本物の餅を持ってこさせては本末転倒だ。

今の時期、こういったタクシン批判はタクシン首相に取ってプラスなのかマイナスなのか?

ただ、影響が出る事は間違いない。

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