2005/10/31

カオサン

カオサン。
その名前を一度は聞いた事がある人は多いだろう。
今でこそ、バンコクのおしゃれスポットの一つとして数えられる街になったが、もともと有名になったのは安宿(ゲストハウス)が立ち並び、不良ファラン(西洋人)が集まったところで有名になった。
実はバンコクに住むタイ人でもカオサンに行ったことがあるという人は少数派であるくらい外国人の街である。
カンサン通りはわずか1キロ足らずの短い通りでその裏の通りも合わしてゲストハウスと店が立ち並ぶところである。どこでそうなったのか知らないがバックパッカーの聖地的に取り上げる情報誌なども多い。
そのかいあってか最近は、スノップなカフェやレストランが出来てというか、ファラン好みの店が新しく出来てなんとなくバンコクの金持ち馬鹿息子、娘が新しい遊び場として流れ出して来た。
現在のカオサンを一番有名にしたのはソンクラーンだろう。
馬鹿ファランと馬鹿タイ人がもともとの目的も忘れ、水鉄砲で水掛戦争をおこなう。
その模様がタイの新聞や情報誌に取り上げられ一躍タイ人の間で有名な街になった。
それもここ5年くらいの話ではないだろうか。
それまで、まともに働いたこともない不良外人のたまり場で、麻薬や犯罪の中心としてタイの警察も警戒していた街である。
日本で猿岩石なるお笑いタレントがカオサンに行ったこともあり日本人にもブームになった。

アレッックス・ガーランドの「ザ・ビーチ」という小説がある。
レオナルド・デカプリオが主演をして映画にもなったので知っている人も多いと思う。
タイに羽目を外しにきた馬鹿な青年が、これまた馬鹿な仲間と「楽園」を見つけにいき、大変な目に合うという話である。小説は若者の馬鹿さ加減をうまく描き、彼がちょっとだけ成長するまでを書いている。まぁ内容は読めばよいし、ここで評論する気もない。
ただ、著者は別に何処でも良かったと行っているが舞台はタイで、馬鹿な主人公が泊まるのがカオサンである。その小説の中ではカオサンはやはり馬鹿が集まるところの様に表現されている。
アレックス ガーランド, Alex Garland, 村井 智之
ビーチ

で、現在のカオサンは安全になったのか?
いや、残念ながらそうではない。相変わらず麻薬は横行しているし、盗みなどの犯罪件数は増えている。その上、最近では金持ちがやってくるので恐喝などの事件も勃発。
そこに溜まっている外人もまともな職についているものは少なく、いわゆる社会不適合者が多く巣くっている。
欧米でもカオサンは良い街とは書かれることはない。
そして、タイの中でもっともタイらしくない街である。
別にいくなとは言わない。

今のカオサンはちょっと遊びに行くには良いところだと思う。ただ長居はしないこと。行くなら十分に注意を。泊まるというのはオススメしない。
犯罪に巻き込まれたことがないのは運が良いということを考えてほしい。

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