2005/09/05

たっ、たっ、たばこ!!!

と僕の友人が叫んだ。
場所はBTSのプロンポン駅の改札を出たエンポリアムの入り口の前だ。
彼はタバコを吸おと胸のポケットからタバコを取り出し一本加える。
僕は思わず彼の加えたタバコを取り上げて
「灰皿がない」
と言い放った。
彼は辺りをキョロキョロして灰皿を探す。がここには灰皿はない。
以前はこの前に灰皿があった。が今はない。そう、タイは禁煙国家になってしまったのだ。
街中は言うに及ばず、レストランやカフェなど建物の中にある所はほとんど禁煙である。歩きタバコももちろん禁止である。
で、何処でなら吸えるかというと、オープンエリアのあるカフェ、お酒を出すバー、(ただし食事メインのレストラン、居酒屋などはだめ)、それと一流ホテルのロビー(これも駄目になったのかな?)や、建物外にある灰皿の前である。
居酒屋などでは二階の部屋ではOKと言う店も多いが実はこれは違法。

日本人は喫煙率が非常に高い。日本では男性より女性の方が喫煙率は高いのである。
が、まぁそれは置いておくとして、私の友人にもタバコが吸えないと駄目といいう人が沢山いる。
実は私もタバコは吸う。昔よりは数量は減ったが、それでも日に10本程度は吸っている。
ところがタイにいるとほとんどタバコを吸わない。酒を飲んでも吸いたいという気分にならない。
そんな時、「あぁ、やっぱり日本にいるとストレス溜まってんだ」と思ってしまう。

だがこう言いのは特例らしい。
普通は常用性があってやめることが出来ないようだ。
タバコは毒である。そんな事は分かっている。けどやめられないのがタバコなのだ。

タイは先進国を目指している。そのためなのか近年タバコに対して非常に過敏な反応を示している。
隣国シンガポールが禁煙国家として成功していることもあり、過激とも言える禁煙キャンペーンが行われている。
例えばタバコのパッケージにはちょっと日本では考えられないほどの過激な写真が掲載されている。
ちょっとためらったが、こちらたばこ禁煙に向けてのHP から拝借した。
このHPにはタイ以外の国パッケージも載っているので興味にある方はどうぞ。結構過激です。
この写真がパッケージ50%を以上で掲載されている。
その写真の載ったパッケージがコンビニなどで並んでいいるのである。
見ていていい気持ちのものではない。
さらに、タイ保険省は今月24日から小売店でタバコの陳列を全面的に禁止するという。
これには世界第一位タバコ会社フィリップモーリスが保健省の措置は過剰なもので、タバコ業界に打撃を与えると指摘し、シンガポールでは、各銘柄についてパッケージを1個ずつ陳列することが許されており、タイもこれを見習うべきだとコメントを発表した。
これらを見ているといかに日本という国が喫煙国家なのかが分かる。
日本でも新しいパッケージにはおおきく注意が呼びかけられているが、あくまで文字だけである。
余談だがフィリップモーリスは禁煙カフェを打ち出したスターバックスの大口株主だそうだ。
なんか矛盾していた楽しいと思っっていたら、今やフィリップモーリスはナビスコを買収し、世界有数の食品会社への転換に成功したらしい。

さて、私の友人はそんなタイの恐ろしいパッケージにもめげずタバコを吸いたがる。彼の辞書に禁煙という文字はあるのだろうが、彼の読めない言葉で書かれているらしい。
そこで、彼のためにスクムビットのソイ31に近いカフェへ向かった。入り口にオープンスペースがありタバコが吸えるからだ。
が、行ってみると席は喫煙族で満席だった。
仕方ないので、もう一度陸橋をあがり、反対側にあるクイーンズパークへ。
公園の中なら吸っても怒られないかと思い(そこまでして吸いたいか!)、公園のベンチに座りタバコを加えると、若い警察官が私たちに声をかける。
「すみません。サー、ここではタバコが吸えません。こちらへ」
といって、出口の横の植え込みまで連れて行く。
と、彼がおもむろにポケットから携帯灰皿を出し、植え込みの上に置いた。
「どうぞ」
彼が言う。
妙にサービスがいい。友人が狐につままれた様な顔で眺めていた。が、どうやらここで吸ってもいいらしい。
友人がタバコをくわえ、火をつける。煙を大きく吸い込んで吐き出しながらうめきのような声を上げる。
「あ~ぁ」
なんとか落ち着いたようである。
それも見ていた警察官が内胸のポケットからタバコを取り出し、一本くわえ火をつける。
友人と同じ様に煙をお大きく吸い込んで吐き出しながら声を上げると僕たちに微笑みかけた。
なんのことはない、彼もタバコが吸いたかっただけだった。


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