仮面ライダーとウルトラマン。
どちらも子供の頃熱中したスーパーヒーローである。
二つとも新作が作られいまだにTVで見ることが出来るのだが、さすがに最近は見ることがほとんどない。
仮面ライダーは新しいコンセプトというか、もともとの原作をモチーフに映画「仮面ライダー THE FIRST」が今年11月に公開される。
仮面ライダー世代としてはぜひ、我々エー年取ったオヤジ達が見てもよかったと思う作品に仕上げてほしいと思う。
昨年はやはり大人も見られるウルトラマンとしてTVシリーズとはまったく別の「ULTRAMAN」も公開され、主役が別所哲也に遠山京子、大澄賢也という中堅どころで固めた大人がオモチャ映画を真剣に作ったという作品でそれなりに楽しめた。こちらは既に次回作撮影中とのこと。
何故今ごろこんな話かというと、タイでも仮面ライダーとウルトラマンは人気なのである。
オモチャ売り場なんかにもBANDAIのキャラクターグッズが並び、キャラクターショウなどもやっている。
恥ずかしながら実は私も高校生の頃着ぐるみに入り、仮面ライダーやウルトラマンを演じていた。
ところが、タイにおいて日本にはいない新しいウルトラマンがいる。名前をウルトラマンミレニアム。
このウルトラマンはタイで生まれたウルトラマンである。
そして、日本には紹介されていない。
何故か?
タイにおいて仮面ライダーとウルトラマンはサイアムチャイヨーというタイの会社が権利をもっている。
仮面ライダーにおいては東映、石森プロ、バンダイ等関連会社とちゃんと契約を結んでおり、日タイ円滑に事業が行われているらしい。
が、ウルトラマンはややこしいのである。
何がややこしいかというと、このサイアムチャイヨーと円谷プロとがタイと日本で裁判をおこない、なんと円谷プロは敗訴。その結果、ウルトラマンから ウルトラマンタロウの5作品において日本以外における全世界配給権と複製権(キャラクター商品などの権利ですね)をこのサイアムチャイヨーが持っているの である。
ただし、著作権は円谷プロにある。
まぁ、要は円谷プロは「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンエース」「ウルトラマンタロウ」の5つの作品については、海外での放送配給権もキャラクター商品の商標権も持っていないとうわけのわからない状態になっている。
サイアムチャイヨーの代表は昔、映画技術を学ぶため日本の東宝スタジオへ二年間いたそうで、その時、故円谷英二氏と知り合い、家族ぐるみの付き合いしたらしい。
その後、資金繰りに困っていた当時の円谷に資金を援助し映画を製作したが、その映画の配当金の変わりに円谷プロが期限なしの権利を譲渡したらしい。
このあたりの詳しいことはネットで検索すれば日本での判決も記載されているのでそちらをどうぞ。
その結果、日本とタイでは違うウルトラマンが生まれたということのようだ。
怪獣映画の斜陽期、円谷の苦しい懐を助けたのはサイアムチャイヨー社であるのは確かなようだが、仲良くやっていたはずの二社がいつのまにか権利をめぐり対立している。
もちろんビジネスの権利という意味ではお互いにの主張もわかる。
しかし、権利の取り合いをすることで、ウルトラマンというキャラクターはどうなっていくのだろう。
いずれにせよ、平和を守るヒーローが醜い権力争いをしたというのは。子供の夢を壊す争いだったことは間違いない。
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