2006/02/21

タイでも3Gサービス

タイの携帯電話サービス最大手のAISが、第3世代(3G)サービス事業に本腰を入れらしい。

AISは既存事業の音声・データ通信サービスで、1件当たりの月間利用料金が低下しており、付加価値の高いサービス投入で新たな収入源を確保したいことから、3Gサービスを主力事業と位置付け収益構造を改善したいと考えているようだ。


ただ、タイでは通信行政を統括する国家通信委員会(NTC)とともに3G免許交付の権限を持つ国家放送委員会(NBC)の発足が遅れているというなんとも本末転倒な状況で、今年6月にも予定していた3Gサービスの事業免許交付を当面延期することを決定した。

サービス開始時期の具体的目処は未だ立っていない。


AISなど携帯サービス各社は、試験サービス用の周波数割り当ての認可取得をNTCに申請している。NTCは通信関係の周波数配分、NBCは放送関係の周波数配分をそれぞれ担当するとのこと。


20日付のバンコクポストによると、AISのインラック社長は

「3Gサービス開始の時期が近づいている。相互接続のアクセスが向上し、ビジネスチャンスが広がる」

と報じている。


AISではサービスの開始時期を免許取得後6カ月以内を予定。

第1フェーズとして30億バーツを投じ、3Gの基地局をバンコクなどの600~700カ所に敷設し、第2フェーズは国内需要やコンテンツの種類など を見極めた上で、今後2~5年に敷設を予定しており、全国に3G網を敷設するには総額1,000億バーツの投資を見込んでいるとのこと。  


利用周波数は互換性の高い国際基準に沿った2000メガヘルツを予定。

方式は従来の3Gより通信速度が5倍以上早い「HSDPA」方式(High Speed Downlink Packet Access)の採用を検討しているらしい。

HSDPAは「W-CDMA」方式を進化させたもので、「3.5G」とも呼ばれており、日本でもDOCOMOが今年後半にサービス開始を目指している。


AISは国内の3G対応機種の利用者が現在40万人で、6月までに60万人に上ると予測。

携帯端末1台当たりの平均販売価格は2万~3万バーツと高額だが、年内に1万バーツ以下での販売が可能になると予想しているとのこと。

3G携帯の価格が低下すれば、年末までの3G携帯利用者は100万人に増えると予測、2007年には、携帯市場の8割が3G対応機種に移行すると見込んでいる。

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