カヤンというタイ語がある。アルファベットで書くとkhayanだと思う。
意味は「勤勉」である。
一昔前にはタイでカヤンというのはどちらかという誉める言葉でなくと「くそ真面目」的な使い方をする事が多かったような気がする。ある意味「勤勉」であることは不思議に映ったのかもしれない。
ところが最近は「勤勉」であることは良いことである的風潮があるようだ。
たしかに、一昔前よりフットワークの良いビジネスマンも増えた。その背景にはBTSや地下鉄が出来た事で、渋滞から逃れた新しいビジネススタイルが生まれているからの様だ。
例えばメッセンジャー。日本ならバイク便や自転車便だろうか。海外の企業では職業として会社内にメッセンジャーを置くのはごく当たり前のことのようだ。
バンコク市内における彼らの足は大体がオートバイである。小回りが利くし渋滞に巻き込まれにくい。
それでもバンコクの渋滞はそのオートバイさえも走れないほど渋滞する。
ところがBTSや地下鉄を使えば、その渋滞さえ避けることが出来るので、利用するメッセンジャーも多い。
それと、若手のビジネスマン。携帯電話とパソコンを抱えてBTSや地下鉄で飛び回る。効率の問題だ。
それまでのタイでは考えられないほど彼らは行動派である。
こういった彼らの行動が当たり前になることで「カヤン」のイメージも変わってきたのかもしれない。
もちろんそれだけではないだろう。色々な要因が重なって言葉の意味、捉え方が代わっていくの何処の国でも同じである。
カヤンの反対語はキーキアット(Khii kiat:怠ける、怠惰な)だろうか。俗語ではマー(maa:犬)ということもあるようだ。タイでは犬は怠け者なのである。
私の印象から行くと、タイ人でも、北部の人間が打算的、東北部の人間は怠け者、南の人間は勤勉といった印象を受ける。
が、これも人によって違うようで、特にタイ人に言わすとまったく代わってくる。
北の人間は、東北は怠け者で、南のは気が強い、北はやさしいと言い、南の人間は、東北は怠け者、北は打算的、南はまじめと言い、東北部の人間は、北は怠け者、南はおおらか、東北は働き者なのだそうだ。
もちろん個人的な意見なので人によって違うと思う。これはあくまで少ないサンプルなので信憑性は低い。
が、面白いのは、北も南も東北を怠け者と思っているのに東北の人間は自分達を働き者という。
人やエリアによって考え方や感じ方も異なるだろうし、ましてや東北や南や北というのは生粋のタイ人ではない。その為、タイ語を学校で習うのである。
価値観や考え方が違っても致し方ない部分もある。
が、なぜか東北の人間は自分達を勤勉という。
しかし、私から見てもあまり勤勉には見えない。
何故か、よくよく考えて私なりに分析すると、東北の人間は勤勉であるが要領が悪いと言う事ではないかと思う。
一生懸命働いていても、要領の悪い人はどうも勤勉には見えない。
これは仕事の理解力、推進力など能力を問われることもでもある。
決して東北の人間にそういった素質がないわけではない。
ただ、タイにおいて貧しいエリアの多い東北部は教育も行き届いていないケースが多い。
要領というのは知的想像の産物だ。
知的想像の訓練がなされていない人には非常に難しいことなのだ。
一生懸命やっているが評価されない。まるで、日本のサラリーマンのようだ。
いや、日本のサラリーマンは能力があっても評価されない事もあるから、また別の次元の話しかもしれない。
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